創業450年 宇治御茶師の伝統を唯一受け継ぐ茶舗、宇治茶舗 上林春松本店

「綾鷹（あやたか）」でおなじみの『上林春松本店』。
直営店に隣接する「上林記念館」は元禄年間の長屋門を今に伝えている。江戸時代、茶師の最高位・御物茶師(ごもつちゃし）として茶頭取を務めた上林家は、幕府の御用茶を運ぶ「御茶壺道中」を取り仕切り、この長屋門を起点に江戸城を目指した。初代は利休の点てる御茶をつくった上林春松軒までさかのぼる。その祖母が仕立てた御茶を徳川家康は「祖母茶（ばばちゃ）」と好み、褒美として宇治若森の茶畑とともに茶銘「祖母昔」を賜った。
抹茶「祖母昔」は銘とともにその品質を受け継いでいる。11代春松が創生した玉露が「綾鷹」という銘で愛好者を広げたのは天保年間。茶業一筋に14代、伝統を守り新たな挑戦を続けている。