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京都の銭湯特集 やっぱり!お風呂屋さん

町の銭湯は人情のぬくもり

お風呂では「裸の付き合い」という言葉がありますが、大きなお風呂で裸になり語り合うことで、ありのまま自分と向き合い他者との絆を深めることができる…昔の人はこうして人と人とのつながりを築き大切にしていたのですよね。
高い天井と、ゆったりした浴槽の中で体温を上げて汗をかく、循環する血液とエネルギーが日常のしがらみから一気に解放させてくれます。
浄化されていく心と体が最高の幸せを感じたとき、そこで語らう者たちを近づけ、普段築くことのできない深く揺るぎないつながりをもたらしてくれるのかもしれません。
現代人が忘れかけている「人情」、「人との深いつながり」、そして何より「お風呂を楽しみ幸せだと感じる純真な心」を銭湯は思い出させてくれます。
人間の温もり溢れる場所、それが古来から愛され続けてきた所以なのでしょう。

減りつつある銭湯・・・

京都の銭湯は減少傾向にあります。
昭和30年台にピークを迎え京都だけでも600軒ほどあった銭湯は、今では約200軒と約半分に減ってしまいました。数年前までは1年に10軒のペースで廃業が相次ぎ、銭湯業界には暗雲が立ち込めています。ここ3年ほどは、少し落ち着きを取り戻していますが、このまま廃業が続けば絶滅してしまうかもしれません。
銭湯が少なくなっている理由として様々な社会的要因があります。
まず内風呂の普及により、お風呂のない住宅が減少したこと、さらに経営者の高齢化による後継者不足、燃料費の高騰、施設の老朽化、そしてそれに追い討ちをかけるかのようにスーパー銭湯などの類似代替施設の台頭により「銭湯」自体の認知度が低下したと考えられます。
この様な社会情勢の中で銭湯を営み維持していくのは極めて困難で厳しい状況となっています。

京都には魅力あるお風呂屋さんがいっぱい!

京都西陣は、歴史ある伝統と文化を守り続けてきた街。
そんな風情が息づく西陣の地に何ともやんごとなき『長者湯』があります。
男女に分けられた銭湯独特の暖簾をくぐると木製の下駄箱にレトロな雰囲気を醸し出す脱衣ロッカー、見事な透かし彫りの欄間などがあり、古きものの温かさを今に伝えています。
長者湯の魅力は何といっても、美味しい水として知られる京都の名水を井戸から汲み上げ、薪釜でその水を沸かしている贅沢なお湯にあります。清らかな水と薪の相乗効果で、まろやかでとろみのあるお湯が堪能できます。
浴室は改装され清潔感があり、超音波風呂ジェットが2連、「薬湯」、白濁したお湯の「酵素風呂」、「水風呂」とスーパー銭湯に引けをとらない設備で、訪れる人の体を芯から癒し開放感をもたらします。
浴室入り口上部に彩られたタイル絵は「金閣寺」が描かれ、また和風の内庭が大変雅で、心洗われます。
遥か古より西陣の職人の疲れを癒し、魅了してきた長者湯…
伝統と文化を守り続けてきたからこそ味わえる至福の時間が、そこにはあります。
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◇銭湯は健康に欠かせない空気マイナスイオンがふんだんに漂う宝庫
マイナスイオンとは、水が飛散するときに空気中に発生するもので、これが多い場所では人間は深くリラックスすることができます。すなわちマイナスイオンは、ストレス漬けの心と体を解き放つ特効薬なのです。では、家庭の風呂ではなぜいけないのでしょうか。もちろん家庭でもマイナスイオンは発生しますが、浴室の空間が狭いためにすぐマイナスイオンが減少してしまいます。マイナスイオンには、豊富な水源と豊富な空気の層が必要です。だから大きな空間があり、絶えず空気の入れ替えが行われている銭湯こそ、健康に最適の場だと言えるのです。

◇銭湯のはじまり
ルーツそのものを辿ってゆくと..なんと、日本人の風呂文化は飛鳥時代までさかのぼります。当時は「蒸し風呂」という形態で、今のようなお湯を入れた湯船に浸かるスタイルではありませんでした。
しかし最近になって「蒸し風呂」も流行っていますよね。サウナだってこの発展系だと考えられます。
今の形に近い「銭湯」の始まりは江戸初期で、当時は「湯屋」と呼ばれていました。